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ボードゲーム合宿でやったゲーム

先日,ボードゲーム合宿で結構ボードゲームをやったので感想を書く

Diceforge

ダイスの面を購入し組み替えていく拡大再生産ゲーム.

かなり面白かったのだけれど,卓を囲んだ人間の言動が怪しかったのが明確な加点要素になっている.本当は「太陽の力」と「月の力」なんだけど,みんな精神が中学生だから「光のパワー」「闇のパワー」で定着していた.おかげさまで「闇のパワーが高まってきた」とか「光と闇が合わさり最強に見えるので24点」といった,ポップでコクのある言動が楽しめた.

ゲーム自体は中級者向け(それなりにルールは単純で頭を使うわけでもないが,ゲーム慣れしていないと要素が多すぎてつらそう)で,大味なところもあるけど,ダイスを組み替えたり振ったりというフィジカルなとこが楽しいから楽しい.

そしてコンポーネントが凄くいい.偏執的とさえ言って良いこだわりで,すべての要素に収まりどころがあるようにコンポーネントが作ってある. こう,みっしりと匣に詰まっている感じですっかり欲しくなってしまった.でも箱がでかい.

クレムリノロジー

粛清や勲章などのイベントで変化するソ連高級幹部の序列を当てる推理ゲーム.公開情報と機密情報を総合して推理する.

非常に楽しいRPG.起きた事象と現実世界のイベントと唐突にリンクしたり色々想像が湧いてきて楽しい. 苦労して手に入れた機密情報が一瞬で公開情報になったりする無情さがインテリジェンスっぽい(らしい). 公開情報と同じ機密情報ばかり回ってくる状況がOSINT呼ばわりされてて草.

ただ,ゲームとしての面白さがランダム要素に左右されるところはある.読み切れてしまっても面白くないし全然わからず当てずっぽうになるのも面白くない. この間にある楽しいレンジにプレイヤーの資質と出目でどの程度とどまることが出来るのかってのがまだよくわからない.もうちょっとやりこめば見えてくるのかもしれない.

これ以上は情報不足だからランダム,というところまで読めてしまうとゲームとしての面白みが減ってしまうので,プレイヤー間の処理能力に大きな差がない限りは最終ターンだけでなくターン毎の時間制限を適切にセットしたいところ.

ぱんつぁー・ふぉー 2

ガルパンのウォーゲーム.Area to Area型のマップで小隊単位の戦車戦をする.

一回目はカードの引きがひどくてダメだったんだけど,二回目やったら接戦な上にまほエリだったので滾った.

「冬の寒さを表現するときに,どんな美麗なグラフィックよりも1移動力多くかかるほうが雄弁なこともある」という趣旨のゲーム評論を読んだことがある.まさにそれだった.完全なまほエリだった.隊長の盾となるエリカの姿がありありと見えた.約束された勝利のまほエリだった.そもそもアニメですら供給を絞られ気味のまほエリをゲームとして己の判断の下に再現できるのである.とてもイマーシブな体験で,とてもエキサイティングだった.

ゲームとして楽しい上にプラスアルファでロールプレイの楽しみがあるお得なゲームだといえる. ロールプレイとしての楽しさを引き出すのならガルパンへの愛がそれなりに必要となるだろうが,劇場版を複数回見に行ったくらいのごく平均的な愛があれば大丈夫だと思う.

ツォルキン

時間軸での計画性を要求されるワーカープレイスメント.ターンベースで駆動する歯車コンポーネントがイカス.

ワーカープレイスメントは失敗を噛みしめるゲームが多いが,ツォルキンは常に失敗を噛みしめるゲーム展開が続く. 「しくじった」「ああしていれば」という後悔と敗北を巻き込んで歯車は回っていく.

こんなにしくじりまくっているのは,Nターン後の行動について精緻な計画を立てるのが苦手という私の性格によるものである.方向性を決めて丼ぶり勘定で進みつつ微修正を重ねてやっていく,というスタイルが通用しない.つまらないゲームではないが得意ではない.

ReCURRRing

場札よりも強い手札と場札を交換し続けていくカードゲーム.枚数と数字の2つのパラメタで強弱が決まる.

シンプルなのに独創的で奥深い.手作りをするかそれとも利益を狙うかという判断の醍醐味が楽しめる.ルールも単純で教えやすいしカードゲームではピット以来の当たりかもしれない. 盆正月に麻雀が立つご家庭には間違いなくおすすめできる.

ループの中で2つの変数が増えたり減ったりして条件を満たして止まるところがちょっと計算機科学っぽい感じがあって萌える.

何にせよこれは遊び足りないところがある.もうちょっと遊んで判断の感覚をつかみたい.

ナショナルエコノミー

ワーカープレイスメント・カードゲーム.色々珍しい.

つらーい!たーのしー!

ワーカープレイスメントは苦しみを抱えて生きるゲームが多いが,これも常に苦しみを抱えて生きるゲーム展開が続く.維持費で血を吐くのがワーカープレイスメントの醍醐味である. では給料の要らない労働者は経営者の永遠の夢なのか?というところで否となるのがこのゲームの面白くもユニークなところ.

独創的な「家計」のメカニズムがとても良い.労働者への賃金が市場(家計)を形成するという見立ても好きだけど,家計にあるお金の量で駆け引きが生じるのが良い.供給が少ない内に供給したほうが有利,という需給による価格変化を二値で実現してると言えなくもない.WoNで調教されたからってのもあるけどこういう市場メカニズム好きだなぁ.大好き.

みんなまだそんなにやりこんでなかったので,労働者一人が出せる利益って点でクレバーになりきれない(終盤は原則として建設よりも家計に売るほうが効率がいいんだけど建てちゃう)ところがあって,この辺はまだロマンという名の錯誤が生きてたなぁという感じではあった.手札のマネジメントが難しいのでもうちょっと練習したいところ.

最後にこれは好き嫌いなところもあるけど,箱がコンパクトなのがとてもいい.アメリカも都市部はめっちゃ家賃高いらしいけど何でメリケンのゲームはあんなに箱がでかいのか? 住宅事情への心配りもニクい,天晴な国産ワーカープレイスメントだった.

ICE COOL

ペンギンを指で弾くゲーム.コンポーネントがよい.しかし,指が痛い.

ナンジャモンジャ

変な生き物に付けた名前を覚えるゲーム.若いやつが強い(結論)

Dice Stars

ダイスを振って選び,出目とダイスの色を用紙に記録していって上手いこと用紙を埋めた人が勝つゲーム. この合宿でね,私は全然勝てなかったんですよ.だいたいどのゲームも2位以下でね.でも,これは1位になれたんですよ. 勝てるゲームはいいゲームですね.