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ボードゲーム合宿でやったゲーム2018

 週末にお友達と温泉でボードゲーム合宿をしてきましたので遊んだゲームについて報告します.

 なお,記事中の写真はおっさんの手足の写ったやつとはいふりカメラで撮ったやつしかなかったのではいふりカメラのものを使用しています.可愛らしいはいふり画像をお楽しみください.

Wealth of Nations

 個人的には世界で一番面白いと思っているボードゲーム.農園(食料)・発電所(電力)・学校(労働力)・鉱山(鉱石)・資本(資本)・銀行(現金)の6種類の生産設備と資源を所有し,生産し,貿易して金を稼ぐ.席順以外のランダム要素なし・完全公開情報・拡大再生産&貿易バーリトゥードというハードコア資本主義ゲームである.
 この手の重量級ゲームにしては少ないコンポーネントと単純なルールで需給バランスや通貨供給量によるマクロ経済への影響を表現できている秀逸なボードゲームであり,「どこかで見たぞこの経済情勢」という状況がプレイのたびに立ち現れるのが魅力.「作ろう君の失敗国家!」を合言葉に一家に一台ほしいくらいの良ゲーなのだが,現在ではプレミアがついておりPS4 Proみたいな値段になっている.おのれ資本主義.

 今回は6人プレイで発電所を取ってゲームスタート.しかし,タイルを近くに配置されて土地がなくなり,頼みの綱の電力事業にもどんどん参入されてひどい状況に.中盤に血を吐きながら債券を乱発をして金融業に参入し現金をウォンウォンと印刷しだしたところ状況は劇的に改善.電力の高騰にも助けられて終盤かなり巻き返すことができたがタイで2位という結果だった.結局土地の狭さが最後まで効いてタイル数が伸び悩んだのが敗因か.もう一ラウンドあれば勝っていたのになぁ.
 終盤まで人件費が高騰していたにもかかわらず学校への参入者がほとんどいなかったため,勝ったのは学校を独占していたプレイヤーだった.善戦した方ではないかと思うし,電力→金融という好きな戦術を決めた上で「工場建てるより金刷ったほうが強くないですか?」という金満ロールプレイもできたので,2位ではあったものの概ね満足の行く2位であったと思う.

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 写真は中盤のもの.私が担当するAnglica(英国相当:白地に緑十字のフラッグ)は決然として現金印刷業務(銀行:紫色のタイル)に邁進している.

SCYTHE

 1920年台の架空の東ヨーロッパを舞台に二足歩行機械(メック)を用いて覇権を争うゲーム.キービジュアルがドチャクソかっこいい上にコンポーネントが凝っている.メックや民族指導者の精緻なプラスチックフィギュアが入っている上に木製のミープルも勢力ごとに形が異なっていたりととにかくゴージャス.ボードも工夫が凝らされており触っているだけで多幸感に襲われる.

 ゲーム内容としてはアクションを選択してメックを配備したり移動したり生産したりしてVPを稼ぐもの.その辺りはオーソドックスな重量級ゲームと言ったところか.とにかく要素が多いのでプレイ時間がひどいことになりそうなものだが,プレイヤー間での干渉が思ったよりないので意外とスピーディにゲームが展開するのがありがたい.

 5人プレイでポーランド風の国を担当.特殊効果が遭遇イベントカードの効果を2つ選べるというものだったので,メックを配備して移動力を増やしつつ指導者があっちこっち行って遭遇イベントカードをめくるプレイに終始.ただ,ドイツ風軍事国家がゲームを終わらせに行ったので普通に追いつけず負けた.2位だったものの,後からVP計算のルール間違いに気づいたから実の所はたぶん3位以下だったと思う.
 面白いには面白かったのだが,要素が多すぎてどの要素がどこまで勝利に貢献したのか(あるいはどの要素が勝利に貢献できなかったのか)がよくわからなかった.もう少し色々遊ぶとまた変わってくるのではないかと思う.

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写真は点数計算時のもの.

戦闘破壊学園ダンゲロス ボードゲーム

 同名小説およびその関連作品をクラウドファンディングボードゲーム化したもの.あらゆるテイストが狂っており下品で下劣で最低(以上4ついずれも褒め言葉)なのだが,それはいずれも原作の忠実な再現によるものである.

 探索フェーズと決戦フェーズに分かれており,探索フェーズで集めた仲間の魔人を並べてゲームの勝者を決めるべくバトルロイヤルの決戦フェーズを闘う.Lvの高い魔人ほど強く,倒した魔人を仲間にするという構造上どうしても探索フェーズは正のフィードバックがかかるのでプレイヤー間で差がつく,おまけに決戦フェーズに参加できる魔人の数も探索フェーズでボス魔人を倒した回数が多いほど多い.
 これでは流石に一人が強くなりすぎてバランスが悪かろう……と思いきや決戦フェーズはバトルロイヤルなので優勝候補と目されるプレイヤーは集中的に攻撃されてひどい目にあうので勝手に辻褄があう.また魔人の特殊能力がLv問わず基本的に強く,所詮はダイスゲーなのでジャイアントキリングが連発する.大味ながらもバランスが取れてしまうのはこのあたりのゲームメカニクスも貢献していると思われる.いかにもダンゲロスらしくてとても良い.

 4人で遊んだ際は探索フェーズも順調に進み,決戦フェーズにおいても最大のライバルと目されたプレイヤーが早々に全滅.相手はLv1と2の魔人のみでこちらは戦闘向け特殊能力を有したLv3という「勝ったな」「ああ……」みたいな状況になったのだが,お約束のように出目で負けた.しかも相手は「まるだし刑事」.クソすぎる(褒め言葉).

進撃の巨人 ボードゲーム

 同名の大人気漫画のゲーム化.巨人側プレイヤー1人対人間側プレイヤー残り全員の特殊な対戦ゲーム.人間側プレイヤーはダイスを振ってその目を使いつつ巨人を倒すことを試みる.直立する巨人や組み立て式の塔,専用のダイスを始めとするコンポーネントインパクトがあるが,実際はただのトークン置き場でありこれ平面でよくね?感が漂う.でもな,平面機動じゃカッコがつかねぇからよ……そのコンポーネントは必要なんだよ……

 ゲームは5人でやって,まぁなんか普通に巨人を倒せた.

 余談だが,グループ内で『進撃の巨人』を読んだことがあるやつよりも『戦闘破壊学園ダンゲロス』を読んでるやつのほうが多かった.治安が悪い.

プールパーティ

 プラスチック製のカードを指で弾き,バネで支えられた受け皿にたくさん載せたら勝ちというゲーム.ルール説明が1分で終わる.
 平均年齢3x歳の男性(全員素面)が4人でキャッキャ言いながら一心不乱にプラスチック製のカードを弾いている様はちょっと頭がアレしてしまったのかなという光景であるが,プリミティブな面白さがあるゲームだから馬鹿にしてはいけない.欠点はプリミティブすぎて3分くらいで飽きること.

ペンギンパーティ

 手札から5種類のペンギンカードをルールに沿ってピラミッド状に並べていき,できるだけ多く置くことを目指すゲーム.場の空気を読んでカードを出していく必要があり,妨害は必要だがあまり妨害しすぎると自滅するという定番のジレンマがある.今年の「単純なルールながらも大当たり」アワード*1は間違いなくこれ.

ナショナルエコノミー・メセナ

 去年やったカードゲーム『ナショナルエコノミー』の新版.拡張ではなく単体で遊ぶ用.ルールは前とほぼ同じ.ワーカープレイスメントゲームだが労働者に賃金を払うのが辛い.
 3人プレイを2回やって両方とも大聖堂を建設し勝利点トークンを稼ぎに行くが,いずれも2位.『ドミニオン』でも思ったけど自分は勝利点トークンという単語に過分のロマンを見出しているように思える.

顧客が本当に必要だったものゲーム


 顧客の要求に応じて情報システムという木を伸ばしていくゲーム.だいたいカオスなシステムができ,担当者の評価は「やった感」*2で決まるというリアル.顧客という体で出てくるインターネット有名人のイラストが上手くていちいちイラッとするのだがイラストを見てだいたい「元ネタこいつだろ……」って分かるような人間はインターネットのやりすぎなので直ちに野菜と運動と瞑想が必要だと思われる.恐ろしい恐ろしい.

 今回の合宿で他のゲームでは一位になれなかったが,これについては圧勝してシステムエンジニア(システムをエンジニアリングできるとは言ってない)の意地を見せつけることができた.勝てるゲームは良いゲーム.忘れちゃダメだよ.

*1:一昨年は『ピット』去年は『ReCURRRing』

*2:このゲームにおけるVPはそのように呼称される