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ニトロプラスコンプリート

Phantom 〜Requiem for the Phantom〜の監督インタビューが載っていると聞いて購入.

時期が時期だけに真下耕一へのインタビューに釣られてしまったけれど,本来なら虚淵玄がらみのインタビューだけでも値段分の価値があるように思う.980円だし.

文章を読んで/アニメを見ていろいろと解釈を考えるのは面白いのだけれど,ともすればパラノイアックになってしまう.その点,この手のクリエイターの声が聞けるものがあると,袋小路に陥らずに済むし,自分では気づくことの出来ない意図に触れることが出来る.これは大変に気持ちが良い.

一般論はさておき,真下監督へのインタビューは大変に興味深かった.
ラストの不条理な終わり方がアメリカン・ニューシネマじみてるって指摘は2chなどでもなされていたけれど,玲二が子供としての筋を通した(≒若者の反抗),という話をされてようやっと腑に落ちた.年代的に考えて,真下監督はニューシネマの洗礼をもろに受けてる訳だから当たり前なんだけどさ…….

善良な社会へのエクスキューズとして玲二の死が織り込み済みであったとするなら,いかにも真下監督らしい持っていき方だと思う.

そういう作家性は「自己満足」の名の下に忌避されるのかもしれない.しかし,制作陣が自己を満足させようとする意志を欠いた状態で作った作品が果たして魅力的だろうか?

熱狂したアニメのことを思い出してみると,そこには「お前らはこういうのが好きなんだろ?」にとどまらない「俺はこういうのが好きなんだ」という強烈な自己を満足させようとする意志があったように思う.

となると,真下監督の場合は自己満足の方向が流行と違うのが問題になってくるわけだが…….

私としては方向が似てるので関係ないワハハ.