2012年のアニメ個人的ベスト3
今年はデスマ部(仮)の部活動が大変忙しく,アニメを見る本数も減った.文章を書く場はTwitterに移り,140文字を少し超えて文章を書くことも減った.
それでもやはり,かわらず,アニメは面白くある.
1位:戦姫絶唱シンフォギア
クソアニメと名前を挙げられれば憤ってみせ,逆に名前が上がらないと不安になる,中身が無い作品だと言われればそんなことはないと反駁し,3.11へのエールを秘めた作品と称えられればそういう見方をするものではないと窘めてみせる.
そういう微妙な距離感と真直ぐでない愛情をもって,BDとキャラソンとフィギュアと書籍を全て購入している.
他人がどうという立場を離れ,魅力を語るとすれば,シンフォギアが面白いのは音だ.
音質がいいとかじゃなくてセリフでもリズムがいい.真面目くさった書き言葉を喋らせてちょっと外した面白みを見せたとおもいきや,テンポのためなら省略して新語を作ってしまう(例:ちょろくせぇ→ちょせぇ)
打てば響く,阿といえば吽,実に気持ちいタイミングで返答が来る.
音楽に合わせて絵を作る,音楽に合わせて声を作る.だから,音楽に合わせてアニメが出来る.キャラが動く.それが見ていて気持ちがいい.
それにやはり,自分は制作者が好き勝手やって作ったものが好きなのだ.
実際こっ恥ずかしいし馬鹿馬鹿しいアニメではあるだろうけれど,若干の苦味とそれを上回る情緒,尊敬,賞賛を込めてこう言いたい.
「こういうのでいいんだよ,こういうので」
2位:咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A
超能力にはルールがある.いかに強力な能力でもルールを外れて勝つことは出来ない.だから,能力者と相対する者はルールを探し,機転を利かせ,相手の裏をかくしかない.これは能力バトルものの王道であり面白みであり,ジョジョやH×Hのような人気の高い能力バトル作品にみられる共通項でもある.
時に共闘し時に敵対するマルチゲームの中でそういった能力バトルをやるならば,これが面白くないわけがない.
魅力のひとつであった,派手で古臭い演出と,わざとらしい百合スキンシップは1期に比べて控えめとなった(もしくは自分が慣れた)ものの,面白さの根幹をなす能力バトルおよびスポ根の様式美は健在.今後のストーリーは漫画で知っているものの,1月の特別編配信が楽しみ.
3位:PSYCHO-PASS サイコパス
大人向けのハードボイルド風味その実オサレにしかなり得ない雰囲気,わざとらしい古典の引用,情け容赦のない残酷描写.しかし傍から見ればどこか間抜け.
これは紛れもなくProduction I.G.制作のゴンゾアニメである.
ゴンゾは滅びても,スタッフはどこへなといって仕事をしているし,ゴンゾアニメのミームは市場なんぞに淘汰などされていない.それはとても素晴らしく,寿ぐべきことだと思う.
ヒロインがちょっと不細工&ジト目でとても可愛くて虚淵に曇らせられるのと,のり子ガンの音声が情け容赦無いことを丁寧語でいいそうな雰囲気でよろしい(本題).
2011年のアニメ個人的ベスト3
あまりアニメを見ることはできなかったが,年が終わりに差し掛かってみれば,あれもこれも見ていたし面白かったという例年通り.
1位 魔法少女まどか☆マギカ
アートワーク,音楽,脚本,演出,どれも良く出来た2011年の代表作であるけれど,何がそれら以上に自分を惹きつけたかといえば,「美樹さやか」という歳相応に幼稚で潔癖な激情家が確かに存在したことだった.
アニメの出来の善し悪しという緩衝領域を一足飛びに踏み越え,喉元に抜身の「人格(Character)」を突き付けられた.多くを省みるきっかけとなり,そして省みた後は多くのうちの一つになった.
ここ数年で一番の傑作であると思う.
2位 境界線上のホライゾン
すべてのアニメ化は失敗である.
この法則に対して真っ向から立ち向かった素晴らしいアニメ.
原作を読みだして,ようやっとわかった.なんと適切な取捨選択がなされていることか.どれだけ愛情と共に読み込まれていることか.変則的部活アニメとしてどれほど手堅く盛り上げられていることか.
はたして本作はよく出来たアニメ化をされているだろうか,間違いのないアニメ化をされているだろうか.それは私にはわからない.ただ,本作は幸せなアニメ化をされている.
3位 魔乳秘剣帖
どうしようもなかった.
でも,どうしようもないことが救いであったこともあった.
こいつと天下繚乱リプレイとNINJASLAYERとホライゾンのせいで自分の中の日本史が歴史侵略で危ない.
まどかはとんでもないものを盗んでいきました
「まどか☆マギカ」以降,アニメ見る気力が無くなってしまった.作品がOverwhelmingだったのか,震災に端を発する空気と延期がOverwhelmingだったのかはわからない.
ただ,毎週アニメを見て,感想や気づいたことを文章にするエネルギーが自分の中から抜け落ちてしまったように思う.前だったら釣られたような衒学的なアニメ論やオタク論を読み,考え,論ずることができなくなってしまった.今となっては140字の思考で息切れがする.
だから,「Sis puella magica!」を聴いていると,その旋律に強く喪失を意識させられる.
聖痕のクェイサーII 第1話
スタッフや原作者の頭ん中が母乳で満たされてタピオカミルクみたいになってんじゃないかと心配です(褒め言葉).
原則ハーレム展開,でも男はいらねぇ,だから男の娘と百合で埋める,そして男の娘とはいってもやっぱり肉体的には……と感じる人のために電脳空間で完全に性別変えるオプションもつける.
どういうソリューションだ.チョロいとかなでぽにこぽとか,そんな小奇麗な領域に留まらない設計も運用もトチ狂ったご都合展開.こういうことが出来るのは,やっぱりクェイサーしかない.
余談だけど,相変わらず劇伴は真面目にカッコイイ.2期から流れるようになった「震えよ,畏れとともに跪け」のアレンジが素晴らしい.テンション上がるわぁ.