這いよれ!ニャル子さん
- 作者: 逢空万太,狐印
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2009/04/15
- メディア: 文庫
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ひとつの旧支配者を一種類の宇宙人ととらえるくだりは目から鱗.どっからどうみてもゴミラノベなのに,こういう発想が紛れ込んでるからすごい.とはいえ,ここで「この小説は洗練されていないが,キラリと光るものがある,宝石の原石だ」なんてありきたりな比喩はふさわしくない.同じ宝石にたとえるとしても母岩付きの水晶みたいなもので,9割クズなんだけどクズを取り去ると味気なくなってしまう(そしてその1割ゆえに価値がある).研磨すればそれで済む原石とは違った,混沌とした面白さがそこにある.
ただ,個人的にはノリがちょっと合わなかった.ネタラノベって受け手のスイートスポットが狭い上に重なりにくいので仕方ないことだけど.