2011年のアニメ個人的ベスト3
あまりアニメを見ることはできなかったが,年が終わりに差し掛かってみれば,あれもこれも見ていたし面白かったという例年通り.
1位 魔法少女まどか☆マギカ
アートワーク,音楽,脚本,演出,どれも良く出来た2011年の代表作であるけれど,何がそれら以上に自分を惹きつけたかといえば,「美樹さやか」という歳相応に幼稚で潔癖な激情家が確かに存在したことだった.
アニメの出来の善し悪しという緩衝領域を一足飛びに踏み越え,喉元に抜身の「人格(Character)」を突き付けられた.多くを省みるきっかけとなり,そして省みた後は多くのうちの一つになった.
ここ数年で一番の傑作であると思う.
2位 境界線上のホライゾン
すべてのアニメ化は失敗である.
この法則に対して真っ向から立ち向かった素晴らしいアニメ.
原作を読みだして,ようやっとわかった.なんと適切な取捨選択がなされていることか.どれだけ愛情と共に読み込まれていることか.変則的部活アニメとしてどれほど手堅く盛り上げられていることか.
はたして本作はよく出来たアニメ化をされているだろうか,間違いのないアニメ化をされているだろうか.それは私にはわからない.ただ,本作は幸せなアニメ化をされている.
3位 魔乳秘剣帖
どうしようもなかった.
でも,どうしようもないことが救いであったこともあった.
こいつと天下繚乱リプレイとNINJASLAYERとホライゾンのせいで自分の中の日本史が歴史侵略で危ない.
まどかはとんでもないものを盗んでいきました
「まどか☆マギカ」以降,アニメ見る気力が無くなってしまった.作品がOverwhelmingだったのか,震災に端を発する空気と延期がOverwhelmingだったのかはわからない.
ただ,毎週アニメを見て,感想や気づいたことを文章にするエネルギーが自分の中から抜け落ちてしまったように思う.前だったら釣られたような衒学的なアニメ論やオタク論を読み,考え,論ずることができなくなってしまった.今となっては140字の思考で息切れがする.
だから,「Sis puella magica!」を聴いていると,その旋律に強く喪失を意識させられる.
聖痕のクェイサーII 第1話
スタッフや原作者の頭ん中が母乳で満たされてタピオカミルクみたいになってんじゃないかと心配です(褒め言葉).
原則ハーレム展開,でも男はいらねぇ,だから男の娘と百合で埋める,そして男の娘とはいってもやっぱり肉体的には……と感じる人のために電脳空間で完全に性別変えるオプションもつける.
どういうソリューションだ.チョロいとかなでぽにこぽとか,そんな小奇麗な領域に留まらない設計も運用もトチ狂ったご都合展開.こういうことが出来るのは,やっぱりクェイサーしかない.
余談だけど,相変わらず劇伴は真面目にカッコイイ.2期から流れるようになった「震えよ,畏れとともに跪け」のアレンジが素晴らしい.テンション上がるわぁ.