ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・デザイア(1) 星影の魔都
ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・デザイア(1) 星影の魔都 (富士見ドラゴン・ブック)
- 作者: F.E.A.R.,加納正顕,片桐いくみ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2010/02/20
- メディア: 文庫
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このリプレイではPCが全員いわゆる「悪の組織」所属なのだけど,容赦のなさと自嘲と覚悟と一片の良心を兼ね備えていて本当に嬉しくなってくる.容赦するのは正義の味方,自嘲がないのは狂信者,覚悟がないのはチンピラ,良心がないのはシナリオボス.そう考えると全員で良い感じに悪役しているのは大変に素晴らしいことだ.
そして,そんな悪の華的格好良さと同時に現れる儚さ,脆さもまた魅力的.どいつもこいつもまともな死に方はしなさそう.エンディングで刺されるとか,精神崩壊で車椅子とか,そういう未来が見える.可哀想な罪人が大好きなのでこれはたまらん.どストライク.
肝心なところで眼のハイライトがすっ飛ぶステキヒロイン(特に若林神の演じる朱香が実に良いキャラをしている)どもと,渋さと厨二センスで攻めるステキヒーローどもに,中学生回路が励起されまくっちゃってどうしましょ.中学生相当品諸氏は,見開きの設定と台詞で悶絶すると良いよ!
ゲーム的には,イージーエフェクトが面白そうだと思った.ユーティリティめいたことができるうえに効果がご無体かつ超人テクスチャ満載でかっちょいい(いい気になるならやっぱりノイマン一択だと思う).TRPGにおいて自PCが「状況打開」に貢献できたときって脳汁が出るからこういうのは嬉しいよね.