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魔法少女まどか☆マギカ 第4話

実に悪趣味なアニメだと思う(褒め言葉)

まぁあれですよ.二次元キャラを愛でていると自分のことをまともな人間じゃないと思うと同時に自分は幾分かマシな人間だとか思ってしまうことがある.現実の女性を性欲のはけ口としてしか扱ってない人間に比べれば,自分はよっぽど紳士的だ,などと韜晦してしまう.でも,こういう少女が追いつめられて身売りするようなアニメを好んで見ている以上,自分の臆病な皮相の下には獣とそう大差ないクズが詰まっている,ってことを否が応にも思い知らされるのでございますよ.

と,追いつめられて契約したさやかさんになんとも言えないエロスを感じちゃったのでそんなようなことを思った.

閑話休題

本当にヒドイ話である.

貧乏が悲惨なのは,金がなけりゃ生きて行けない状況で金がないからだ,物々交換でやってる分には金がなくてもそれなりに幸せ,みたいな話をいつだったか本で読んだ.曰く「貨幣へと疎外され,貨幣から疎外される,この二重の疎外が貧困の本質である」とかなんとか.
その言葉を借りれば,「奇跡へと疎外され,奇跡から疎外される」のが,まどかたちの悲惨さではなかろうかと.だからこそ「奇跡も魔法もあるんだよ」というさやかの叫びはあれほどまでに痛ましいのではないかと.

元の文章だと,だからその構造を理解しないままに貧困国に開発主義的な援助をしたところで状況は本質的にはあまり良くならない,みたいな感じで話が続く.
翻ってまどかたちに話を戻すと,奇跡や魔法が歪な「救済」を作り出し,それがきっかけとなって,誰が悪いわけでもないのに悲劇の輪は回り続ける,という展開が見える.今のところはキュゥべえがヒールではあるんだけれども,単純な悪役を用意してそいつを憎めば済むようなヌルいラストが待っているとは思えない.もっと構造的で,誤解とすれ違いに立脚した悲劇がそこにあるように思う.