ウィザーズ・ブレイン VII 天の回廊
- 作者: 三枝零一
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/10/10
- メディア: 文庫
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「もうきたのか!」「はやい!」「きた!新刊きた!」「7部上巻きた!」「これで勝つる!」
作者は2007年中に4冊出すって言ってましたが,この2007年22月で出そろいました.6下からわずか12ヶ月のスピード刊行.部の切れ目はいつももうちょっと掛かるんですがね.
訓練されすぎのように見えますが,作者これしか書いてないし安心して待てるんですよ.本屋で見かけたときは嬉しさのあまりつい二冊買いそうになりました.以下ネタバレを含む感想.
運動加速は一応エネルギー保存則が有効だったのね.騎士のデバイスが斬撃武器ばっかりなのも納得がいった.肉弾戦闘主体だから近接武器にしておけば便利なのか程度に思ってたけど,確かに通常の人間の力で人体をどうにかするには単分子ブレードが向いてるように思う.
騎士の運動加速にエネルギーという制約があるから竜使いの対騎士性能が高いわけで,「自己再生と情報解体耐性以外にも強みがあったのか,むしろこれはチートじゃないのか」と思ったわけだけど,肝心の竜使いご本人が……その……ねぇ?
くそ,いつの間になのなの鳴くようになってるんだよ!やめろよ!そういう頭の弱そうな口調やめろよ!鍵っぽくて困る,いや困らない,いややっぱ困る!
正直どうかと思うなの.
あと,作者の趣味がM:tGからボードゲームに移行したって話を聞いてなるほどなと思った.6部7部の構図はマルチゲームのそれであるように思う.5部までの個人戦闘は対人ゲームの思考だった.
人間関係を面白く描くというのは難しいことであるし,きちんと面白いのですごいことだとは思う.ただ,登場人物個人がそれぞれ自己の心情に決着をつけてほしいので,ちょっと不安でもある.
毎度のことながら,続きは年内に出ないみたい.生きてる間に完結するならどれだけ時間が掛かってもいい,と思ってるファンは私だけじゃないはず.