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2009年のアニメ個人的ベスト3

毎年,この時期にその年で面白かったアニメを紹介してるので今年も紹介.ギリギリだけど.

1位:咲 -saki-

今年一番ハマったアニメ.
カジュアル百合で美少女たっぷりという21世紀な萌えアニメと思いきや,やってることは90年代的なスポ根部活もので,能力バトルもの.努力・友情*1・勝利の三原則に忠実に,麻雀の団体戦をやっている.

三段パンとかの古臭い演出がこの古風なお話と組み合わさっていい感じを出している.使い古された演出ゆえに,多くの人が「ああ,これはこういう意味なんだな」っていうのを無意識のうちに感じ取れるのではないだろうか.このおかげで麻雀にそこまで詳しくなくてもとっつけるし,詳しい人には牌譜を読む楽しみも残してある.凄くやさしく,よくできたアニメだと思う.

そして,萌えアニメとしてもさすがの出来.ひとりひとり丁寧にエピソードが描かれているし,魅力を見せる場が用意されている.また,各所で登場する頭の悪いエロが(あんなにあざといくせに)本編の流れを阻害しないってのも素晴らしい.そう,カメラアングルが少々アレなだけで,話自体は全く普通に進んでいるのだ.

2位:Phantom 〜Requiem for the Phantom〜

今年一番真面目に見たアニメ.
「刹那の幸福のうちに死んだことだけが救い」という真っ暗なラストで株を落としたような気もしたが,それでも運命に対して抗いもがいた主人公たちの姿には感じいるものがあった.

元来ノベルゲーなのでかなり複雑な心理描写があるのだけれど,それをモノローグを極力避けつつもきちんと表現してるのがすごい.アニメを前提に原作を読み返して登場人物の心の動きを追ったときも,そうして読み返してつかんだことを前提にもう一度アニメを見たときも,初見の時と同じくらい新鮮な驚きがあった.

見返す度に面白さが出てくるアニメは,本当に素晴らしいと思う.

3位:とある科学の超電磁砲

1位と2位はサックリ決まったが,3位はかなり迷った.魅力的な作品が多かったからだ.
ただ,クオリティとハマリ具合,木山先生のかっこよさ,厨二病成分,センス・オブ・ワンダーなどを考慮して,超電磁砲に決定.与太科学と超人病の幸福な融合がそこにはある.

ただ,なんというか良くも悪くも表面的なクオリティの高いアニメだ.レベルアッパーが抱える問題はもっと本質を掘り下げられたように思う.コンプレックス萌えを踏まえ,「能力」とそれを取り巻く蹉跌をもう少しいろんなアングルから見てみたかった.

*1:咲→和 は友情.逆は劣情.異論は認める