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Phantom 第25話

ビートレはどこかと違って終盤崩れたりしないんで安心だなぁ,とか思ってたら,メインヒロイン全員の原作ルートを回収するというウルトラCを見せられたでござるの巻.さすが原作者.

まず,美緒の母が出てきたのは上手かった.玲二と海典の対比というラインに,美緒と母の「血筋」というラインが重なってて,ここは本当に上手い人間の配置をしてると思う.その後の電話で,美緒ルート(「いってきます」)も回収してしまったし,なんというか脚本職人ってスゲェな.

次に,キャルと対峙する玲二が本当に格好良かった.覚悟を決めた冷静な挑発が痺れる.梧桐組を蹴散らすエレンと併せて,自由意志で動いた「ファントム」の強さが端的に表れていたシーンだと思う.
ただ,因果に終止符を打つ覚悟を決めたのであれば,キャルを撃った後に玲二があげるべきなのは慟哭ではなく嗚咽であるべきだったと思わないでもない.もっとも,玲二さんは不器用な人で,格好つけつつも泣いちゃうあたりが魅力的と言えばそうなのだけど.

そして,その後の夢シーンも素晴らしかった.どんどん遅くなっていく"Jesus is Calling"が夢から醒めるまでの時間制限を表してるようで,胸がふさがった.

原作厨として言うと,あの夢はマジでキャルルートだった.キャルが最期に仰いだ蒼い空があのメキシコの空と被って*1,何とも言えない気分になった.ルート分岐した原作というメタを踏まえると,「違う生き方があったと思う?」というキャルの問いかけが重い.

キャルのことを思うとずいぶんと残酷な物語ではあるのだけど,救いがあるとすれば,キャルの死が彼女の言う「ゴミクズ」みたいなものでなかったことなのだろう.

さて,あとは思うさまエレンルートを突っ走るだけ.来週も楽しみだ.

*1:実際はロサンゼルスの空です.それにしては青いけど.