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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

今更ながら「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を観てきた.

映像面が相変わらずパネェ.いったいあの美術はどうなってるの.なにでできてるの.かっこよすぎて頭おかしくなりそう.隣の席の女性が見終わったあと「やばい」以外の語彙を喪失した状態になっていたが,映像面に関しては私も同意見.
審美眼のない私にはスタッフの名前で判断することしかできないのだが,監督として評価を得るような人間がさらりとコンテだったり原画だったりに名を連ねていて大変に驚いた.

ただ,面白かったかというとどうにも煮え切らないものが残る.
以下,ややネガティブな感想なので折りたたむ.
ウィザブレの悪いとこだけ抜き出したというか,妙に緊張感のない作為的なアットホームさがままあってなんだか引っかかった(その手の不自然さにおいてもエヴァがパイオニアであったと言われたら,私は反証を提示することはできない).戦闘と日常が切り離されて交互に繰り返されるのを見てると違和感ばかりが先に立った.
確かにシンジ君は以前の増長した子役から熱い男に変化したと思うし,作品としてもTVシリーズにあった青白くて頭でっかちな毒気みたいなものは減ってはいる.でも,登場人物の考え方がマトモになったって,エヴァをマウントしてる歪んだ世界観(あるいは先述したような歪んだ表出)はなんら変わってないわけで,余計に違和感を孕んで見えてしまうだけだったような気がする.ガチなスプラッタがハッピーツリーフレンズに変わったようなものだ.
正直なところ,エヴァは私にとって「悪い冗談」なんだよなぁ.'95年の熱狂をシェアできなかった身には仕方のないことなのかもしれない.